圏論の本いろいろ

最近、圏論の本が多く出版されています。おそらく関数型言語Haskellの影響かと思われます。圏論は代数トポロジーに端を発する考え方を抽象化したもので、大学専門課程レベルの数学の素養がないと理解できない、あるいは少なくとも実感が湧かないと思うのですが、Haskellの理解のためか勉強する人が多いのには驚きます。図書館にある圏論の本の多くは貸出中あるいは予約が入っていて、なかなか借りることができません。最近手にすることができた圏論の本を紹介してみます。

まずは最近出た本から。

 

「圏論の歩き方」:圏論がどのように応用されているかをわかりやすく紹介した本。これは読みやすい。そのためか図書館での予約待ちが非常に長く(予約したとき確か5人待ちだった)、1ヶ月たってもまだ手元に来ません。

「圏論の技法」:図書館では予約でいっぱいで、先日やっと借りることができました。本格的な圏論の本で、抽象数学がわからないとほとんど読み通せないと思うのですが、読みたい人が多いのにはびっくり。

次は少し前に出た本です。

  

「圏論の基礎」:圏論の創始者ソーンダース・マクレーン著の本。和訳は2012年出版で比較的最近ですが、英文のオリジナル初版(Categories for the working mathematician)は1971年。私が見た圏論の本の中で、おそらく最も高度な内容です(原題が"数学者のための"ですから)。

「圏論原著第2版」:Steve Awodey著の和訳本。これも内容は高度です。本屋で立ち読みした程度です。

「数物系のための圏論」:数理科学の"ムック"。これは図書館で借りて読んでみました。ムックなので目に触れにくいのか、図書館で借りる人が少なそう。ページ数が少ないためか、少し行間が広いと思います。

"ホモロジー代数"と題する本は、図書館で圏論の本を借りるのに"狙い目"です。こんな本に圏論が載っているとは、数学によほど詳しくないと知らないでしょうから、借りる人が少ない。

 

「ホモロジー代数」:河田先生が書かれたホモロジー代数の標準的な本。上述の「圏論の技法」では参考図書に挙げられています。タイトル通り、ホモロジー代数の内容(加群のテンソル積、Hom、単体複体のホモロジー、Tor、Ext)が多い。そのあとに圏、Abel圏、関手の解説、最後に層、スペクトル系列という内容なので、圏論を勉強される方は真ん中の章だけ読んでもよさそうです。なお、この本は今は絶版だと思います。

「ホモロジー代数入門」:和訳は2010年出版ですが、原著は結構古いようです。これは図書館で借りることができました。本格的な本で、決して易しい内容ではありませんが、比較的読みやすい。こちらもホモロジー代数の内容が多いですが、圏の定義や性質のこともしっかりと書かれています。

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テーマ: 数学 | ジャンル: 学問・文化・芸術

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