バルザックの「人間喜劇」は「人曲」と訳すべき?!

バルザックを読みだしてふと思ったのが、篠沢氏はバルザックをどのように解説されているのかということ。で、「フランス文学講義1」を借りてきました。



バルザックのことは、第4章「ロマン・ロマン」に書かれています(最初見たとき"ロマン・ロラン"かと思った)。サルトル「嘔吐」に引用されたウジェニー・グランデのことに始まり、「人間喜劇」の言葉の説明がありました。原語では"la Comedie humaine"。コメディとは必ずしも「喜劇」という意味ではなく、「演劇」という意味。そしてこの言葉はダンテの「神曲」(la Divina commedia)を念頭に置いた言葉らしい。神を人に置き換えたということ。日本語では全く別の言葉に訳されているので気がつきません。「人曲」とでも訳してくれればわかるのですが、そういう日本語はないので仕方がありません。

「フランス文学講義1」には、同じようなこととしてmetaphysiqueという語があると書かれています。日本語で「形而上学」と訳されていますが、元々はphysique(物理学)にmeta("上"とか"超"の意)が付いた語で、「物理上学」とでも訳せばいいのですが、そうなっていない。これまた日本語では全く別の語になっているため、元が同じ語源であるとは想像もつきません。

原語は似ているのに日本語では全く異なる例として、化学を勉強している時に気がついたことがあります。アルデヒドを酸化するとカルボン酸になることを以下のように習います。

formaldehide(ホルムアルデヒド)→formic acid(ギ酸)
acetaldehide(アセトアルデヒド)→acetic acid(酢酸)

英語なら似ていて覚えるのが楽ですが、日本語だと覚えるのも大変です。

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テーマ: 日記 | ジャンル: 小説・文学

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